Donation Box Downtown Boathouse Free Kayaking / SamanthaChapnick
象の神様は言った。
「世の中の人を喜ばせたいっちゅう気持ちを素直に大きくしていくことが大事やねん。そやから寄付すんねん。自分はとにかく人を喜ばせたいし、助けたい。そういう人間になることや」
ありとあらゆる分野で優秀な人間を送り出しているユダヤ人の律法書の中にも『汝の収入の一〇パーセントを分け与えよ』と書いてあるのだという。
本当に募金をすればお金持ちになれるのだろうか。そもそもお金が足りないと思っている人間が、そのお金を誰かに分け与えてしまったら、ますます貧乏になると考えるのが普通じゃないか。
考えていてもしょうがないので、僕もやってみることにした。
もっとも身近な募金と言えばコンビニのレジ横にある募金箱だが、そもそも僕は日常的にコンビニへ行く機会がほとんどないので、とりあえずネットで手軽な募金方法を調べてみた。
知らなかったのだが、募金と言ってもずいぶんいろいろあるものだ。
シリアには内線による莫大な数の難民が苦しんでいるらしい。
ユニセフによれば、世界では約5秒に1人の割合で、子どもたちが小さな命を落としているのだという。
Yahoo!ネット募金 – クレジットカード、Tポイントで手軽に社会貢献!
伊豆大島では台風、埼玉県では竜巻の被害があり、犬や猫たちが捨てられ、東北の高校生には奨学金が足りない。身近なところで苦しんでいる人はいくらでもいる。
赤い羽根募金に寄付をすれば、地域の高齢者や障害者、児童・青少年から住民全般、災害などに対して支援してくれるという。
「クリックで救える命がある。」では、スポンサー企業のバナーをクリックするだけで、自分はお金を払わなくても寄付ができるという。
なるほど今のネット社会であれば、外に出なくたっていくらでも募金ができるというわけだ。しかも自分が貢献したい分野や団体を事細かに選択することができる。むしろ街頭で集めている募金などよりも、ネットによる寄付や募金の方が効率がいいだろうし、現代の主流なのかもしれない。
さて、では僕はどこにどれだけの金額を募金しようか。
ユダヤ人は “収入の10パーセントを分け与えよ” と言っているけど、それはさすがにあまりにも割合が高いので、せめて僕のネットからの収入(正確にはその一部)の10パーセントを募金してみよう。
上に紹介した以外にも募金のためのWebサイトはたくさんあって、いくつかそれなりに検討してみたが、僕は “世界の子どもたちのために” 使ってほしいので、ユニセフに募金することにした。日本ユニセフ協会は国連児童基金とは別組織だとかアグネスがどうたらとかいう悪意がネット上にはびこっているようだけど、そんなんもひっくるめてユニセフに決めた。
さて早速やってみよう。
ユニセフのトップページから「募金・支援」→「募金・寄付のお申込」へ進むと、毎月定額送金する「マンスリー・サポート・プログラム」や、紛争や自然災害から子どもたちを守る「緊急・復興資金」などがあるが、子どもたちを守るユニセフの活動全体を支えるという「ユニセフ募金」を選択。 クレジットカード情報などの必要事項を入力して数分で完了した。
さてさて、さすがに気まぐれで一度だけ募金してみたところで、象の神様が言うような “とにかく人を喜ばせたい、助けたい、世の中をよくしたい、と純粋に思えるような人間” になれたとは思えないが、それでもそれなりの学びや気づきはあった。
ネットからの収入に限定したとはいえ、寝る間も惜しんで骨を折って稼いだ収入の一部を困っている人たちのために差し出した、ということに関してはそれなりの満足感はあるし、たかだか数千円の貢献であっても、僕は世間様に胸を張っていいのだ、などと子どもじみた感慨もある。
ただやはりこういうことは、毎月ずっと継続してこそ意味があるのだろう。
もっともっと僕が頑張って、収入が増えれば増えるだけ募金額も増える。自分が頑張れば頑張るほど世の中の役に立つということを数値で実感できれば、僕も “人を喜ばせることに無上の喜びを見出せる人間” になっているかもしれない。
人は与えた分だけ与えられるという。誰かを喜ばせた分だけその対価がもらえる。見返りを求めて募金をするのは偽善だと言われるかもしれないが、やらないよりはずっといいし、実際に行動してみることで視野が広がり、人間の根っこみたいなところがすこしだけ成長できたような気がする。
UNICEF logo on Barcelona football shirts / HowardLake
世界中のサッカーファンをエキサイトさせてハッピーにするFCバルセロナとまではいかなくても、僕だって少しずつ貢献できれば、世界をもっと明るくできるかもしれない。
ちなみに『夢をかなえるゾウ』の印税の10%は慈善団体に寄付されているようですよ。