ブログで飯を食うための指南書『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の著者・染谷昌利さんが、ブロガーズフェスティバル2013で講演をされた。そのときの内容をご自身がまとめたのが以下の記事。
▶ ブロガーズフェスティバルに登壇して話したことの文字起こし(5割程度)と話しきれなかったことの加筆(たくさん) | Someya Masatoshi.jp.
また懇親会では直接、染谷さんからためになるお話を聴くことができてとても勉強になった。それら学んだことに自分の解釈を加えてまとめたので紹介したい。
ブログ関連のお話。
『魔法のような3つのテクニック』などのタイトルは内容が追いついていないと逆効果。
内容がまとまっていて、それをわかりやすくするために使うのならいいのだが、アクセスアップのためのテクニックとして使った結果、内容が伴っていなければ、逆に釣りタイトルだったと失望されるだけだ。僕も目先のアクセスにばかり囚われていたことがあったなと反省。
ブログで一番大切なのは見た目の数値ではなくファン。
読者に「おもしろかった、役に立った、本当に助かった!」と思ってもらえれば、再訪してもらえる確率はぐっと高くなる。この人が書く情報なら信じられる、という信用がファンに繋がる。
喜んでもらえる価値は自分の中にある。
「あなたのあたりまえが誰かの役に立つ」というのはよく言われる言葉だが、自分が好きなことや得意なことというのは、そうでない人にとっては貴重な情報になる。料理だって釣りだって映画だって漫画だって、好きなことを書くだけで人に喜んでもらえることがある。
ブログネタは体験したこと。
自分が実際に体験したことだからこそ、他人より抜きん出た「価値」が生まれる。人から聞いた話やニュースではなく、自分が行動して得た経験や感慨こそが、他人の心にまで届くのだ。
自分のブログの価値を見極める。
僕のブログの価値は質にあるのか量にあるのか、料理記事にあるのかライフハックなのかコラムなのか。読者は何を一番喜んでくれるのかを見極めることは大切だ。
テクニックを使いこなすだけの基礎体力を鍛える。
内容が伴っていないのにテクニックにばかり気をとられていたらケガをするけど、基礎体力がある上で使えば効果は何倍にもなる。しかしこれだけブログテクニックの情報が氾濫して、猫も杓子もが使っている現代において、テクニック自体の効果がどれだけあるのかもはなはだ疑問ではある。
世のため人のため。
『ブログ飯』を読んでいるときにも感じたのだが、染谷さんのお話を聞いていると、つまるところ一番大切なのは「人を喜ばせること」なんだということが身に沁みてくる。
「この記事がバズってはてブいっぱい取れますように」と願いながら書くのと、「この記事が誰かの役に立って喜んでもらえますように」と願いながら書くのでは、内容や書き方にも違いが出てくる。「意識は人に見透かされてしまうものだ」と黒澤明も言っている。それはそのまま収益の話に繋がる。
収益関連のお話。
ブログの価値の大きさ=収益の大きさ。
そのブログで提供している価値が大きければ収益も大きいし、価値が小さければ収益もそれなりだという至極当然の事実を、いつも認識しておくことが大切だ。超シンプル。厳然。
信頼を勝ちとる。
ブログ関連でも書いたが、信者(のようなファン)をつくることがとても重要だ。これを買えば、この方法を使えば、あの人のようになれるかも、あの人が言うんだから間違いない、と思ってもらうということだ。プロブロガーの立花岳志さんなどはまさにこういう信者をたくさん抱えているのだろう。
染谷さんは「信頼」と同時に、「コミュニティ」と「体現」の重要性を説いているが、やはり立花さんのケースがとてもわかりやすい。
ブログを始めてダイエットに成功し、ビジネス書を乱読して自らを成長させ、サラリーマンからプロブロガー・作家になるという夢をかなえることで「体現」してみせ、それらのノウハウやツール、方法論を提供することで「信頼」を勝ちとり、セミナーで「コミュニティ」を形成しているのだ。
あなたが直接的にできることはとにかく価値を提供して、信頼関係を構築する。遠回りのようですが、末永くファンになってくれるために一番重要なことです。
引用元: ブロガーズフェスティバルに登壇して話したことの文字起こし(5割程度)と話しきれなかったことの加筆(たくさん) | Someya Masatoshi.jp.
他にも出版関連のお話もあったのだが、今のところ僕にとって重要ではないのでパスさせていただく。興味のある方は染谷さんの記事や『ブログ飯』を読んでください。
染谷さんは、「僕はテクニックが嫌いなわけではない」と言う。むしろテクニックを多用しているのだけれど、基礎体力の方がずっと大事だということを伝えたいのだと。
僕は恥ずかしながら、どちらかというとテクニックや情報に翻弄されながらブログを書いてきたなという実感がある。自分では若いと思っていたものの、やはりこの飽和した情報化社会で情報の取捨選択を適切に行えていなかったのだろう。「これはいいぞ」と思ったノウハウやテクニックを手当たり次第に試して、失敗を重ねることもあった。
それは今となっては経験という実になっているのだが、染谷さんのお話をもっと早く聞くことができていれば(あるいはもっと早く『ブログ飯』が出版されていれば)、僕みたいな者だってもう少しうまく立ち回れたのではないか、などとたらればを思ってしまうのである。
先日も書いたが、ブロフェス2013で、染谷さんをはじめとして倉下さんや他の方々、様々なスタイルの講演者の皆さんのお話を聞いて、僕はブロガーとしての原点に帰れた気がする。
僕は僕でしかなく、僕にしか書けないものを書くしかないのだ。
ブログ指南書に載っているノウハウを用いなくたって、Googleが言うとおりのSEOをやらなくたって、たくさんの人の役に立って、心から喜んでもらえればそれでいい。結果は後からついてくる。
本当に大切なものは目に見えない。そんな目に見えないものを見つけて書いていけたら素敵だろうな。