僕の妻は、訪問入浴介護という仕事をしている。
浴槽などの入浴専門用具を家に持ちこんで、歩けない老人や病人をお風呂に入れてあげるのだ。
毎日、車でいろんな家を廻って、いろんな患者さんをお風呂に入れて、いろんな話を聞くのだという。
「俺もうすぐ歩けるようになるんだ!」
というのが口癖のおじいちゃんがいる。
歳は六十代後半だろうか。脊髄損傷による下半身麻痺で、一日の大半をベッドですごし、出かけるときは車椅子だ。
おじいちゃんは口が達者なので、いつもお風呂に入れてもらいながら日常の些末な話をする。
かかりつけの医者が無愛想だとか、病院で会うおばあちゃんの笑顔が素敵だとか、孫が自分のことを好きすぎてしょうがないとか、フジテレビの女子アナが好きだとか。
そんな話の間にいつも「俺もうすぐ歩けるようになるんだ!」とおじいちゃんは言う。
リハビリにも行っているようだけど、先輩スタッフが言うには、おじいちゃんの麻痺が回復する可能性は極めて低いという。
おじいちゃんは、年齢的にも、自分が立ちあがる日がこないことを悟っているのだろう。
それでも、おじいちゃんは毎日快活に笑いながら、歩けるようになったら砂浜を孫と散歩するのだという夢を語る。
そこに悲壮感はまったくない。あるのはちょっとスケベなおじいちゃんのとろけるような笑顔と、小さいけれど確かな希望だ。
僕はおじいちゃんに会ったことがないけど、こういう人が、奇跡を起こすんじゃないのかなという気がする。
あるいはおじいちゃんは、やっぱり二度と立ちあがることがないまま天寿を全うするのかもしれないけれど、希望を持ってすごした毎日は、きっと幸せに包まれているだろう。
僕も、おじいちゃんくらい輝いた希望を、いつも心の額縁に入れて、明日も笑って全力ですごしていこうと思いました。
2014年1月19日午後7時25分。リビングのソファにて。カレー食べすぎて苦しい。
今日の茅ヶ崎海岸
冬の午後は空気が澄んでいて気持ちが良かった。
今日のランニング
今日のゴハン
チキンカレー中辛に、カイエンペッパーとタバスコとハラペーニョ入れてメキシカンに♫
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