コラム/エッセイ

ジョブズが禅を学ぶように、僕は週末には海まで歩いて家族で音楽を奏でる。

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映画『ふしぎな岬の物語』には、海を眺めるシーンがたくさん出てくる。

率直な感想を記したレビュー記事では少々辛らつなことを書き散らしてしまったけれど、あの映画を観て、僕はもうすこしゆったりとした時間をすごしたいと思うようになった。

数年前に、都会の忙しない時間と喧噪から逃げるように茅ヶ崎に移住してきたものの、今や気がついたら都会と変わらずあくせくと何かに追われる生活をしている。「生活に海があっていいね」なんて言われることもあるけど、毎日海を見ているわけじゃない。

でも吉永小百合さんが岬の突端に立って全身に潮風を受けながら海を眺めている様を見ていたら、そういう時間も必要だな、と強く思うようになった。アインシュタインが朝の散歩を欠かさず、ジョブズが禅を学び、ゲイツが独りで旅に出るように。

先日ひょんなことで参加した「フィールアース」というイベントで、木製の素敵なオカリナを手に入れた。昔からこういう可愛らしい楽器が好きな僕はもとより、子どもたちもとても喜んで、みんなで何か演奏できたらいいね、という話になった。

僕は以前から家族で音楽をやりたいと思っていたし、秋冬の週末って出かけるところややることが限られてしまうから、みんなで音楽をつくる、というのはとても魅力的に思えた。

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だから週末には海に出ることにした。どうせならみんなで遠慮なく音を出したいし、きっと浜辺で音楽をやるのは本当に気持ちいいだろう。それにそういう時間を意図的に用意しないと、家族みんなで何かをやるってあんまりないし、僕は息をぬくのが下手だから。

とりあえずみんなが好きな楽器をやろう、ということになって、長男は買ったばかりの森のオカリナ「樹・音」、長女は「鍵盤ハーモニカ」、次女は今のところ浜辺を走りまわっているだけだけど、パパはウクレレ、ママはアコースティックギターみたいな感じになった。

さっそく先の土曜日に出かけたんだけど、思ってたよりずっと気持ちよかった。オカリナのやさしい音色は潮騒にとてもよく合うし、ウクレレと鍵盤ハーモニカだけでも、なんだかとっても素敵な音楽になった。

今のところ課題曲は清志郎の『デイ・ドリーム・ビリーバー』。僕は高校生の頃モンキーズバージョンをよく弾いていたけど、子どもたちはセブン・イレブンのCMを見て気に入ったみたい。あらためて聴くと切なくて素敵なメロディだよ。

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