◀ 僕はうつ病になったわけじゃない。精神疾患ではなく精神疲労。【鬱日記7】
おちこんだりもしたけれど、僕は元気です。
ということで、しばらく会社を休ませてもらって、すこし元気になってきたところで、今回の一件について自己分析してみようと思う。
今後またこういうことを繰り返さないために。そして、がんばりすぎているあなたのお役に立てれば幸いだ。
僕の心がパンクしちゃった2つの要因
自ら決めた完璧なスケジュールに縛られすぎた。
以前『誰に強制されたわけでもない、自分で決めたスケジュールの罠。【鬱日記6】』に書いたように、僕はMacとiPhoneのカレンダーアプリを使って、分単位のスケジュールを組んで生活していた。
他にもOmniFocusというプロジェクトアプリで毎日のタスクを管理し、休憩時間や睡眠時間、家内とお酒を呑んだり映画を観たりするリラックスの時間まですべて、一週間のすべての時間を計画通りに過ごしていた。
けれど万物は流転するのだ。会社のストレスや気圧による体調の低下、子どもたちの成長や家族の変容による生活の変化など、自分を取り巻く環境は刻々と変化していく。
そういう変化に自分を適応させて、スケジュールを変更してしかるべき休憩を取ったりしてバランスをキープできればよかったのだが、自分が定めた完璧なスケジュールなのだからと、僕は根性と情熱でもってスケジュールを完璧に敢行しつづけた。体調が悪くても、気分が乗らなくても、眠くて瞼が重くても、ロボットみたいにただひたすら実行しつづけた。
今思えば、体調や心の状態を無視したというよりは、気づくことができていなかったのだ。
四年前に家内が倒れたときもそうだった。彼女は自分がおかしくなっているということに、まったく気づいていなかった。水風船みたいな心に小さな穴が空いて、パンと破裂して、中にあった水が飛び散ってしまう瞬間まで、自分は懸命にがんばって、正しいことをまっとうしていると信じていたのだ。
24時間誰かとつながっているコミュニケーション過多
最も大きな要因を挙げろ、と言われれば、会社業務での責任が激増したことだろう。
重要な仕事をまかせられるようになったことでストレスは激増した。加えて僕の仕事は、社員にストレスフルな仕事を振り分けることで成り立つ。会社の利益のために、社員に辛い思いをさせるのが仕事だと言ってしまってもいい。
以前まで仲の良かった同僚や先輩たちとの間に、距離ができるのは当然だった。
毎日粘着質な取引先の担当に頭を下げ、事務所内の上司や同僚からのプレッシャーを常に感じながら、現場の社員の苛立ちを腹に抱えていくうちに、いつの間にか会社に僕の味方は独りもいなくなった。いや実際にはそんなことはなかったのけれど、いつの間にか僕にはみんなが敵に見えるようになってしまった。敵ではなくても、少なくとももう仲間ではなかった。
とはいうものの、他人同士が利益のために集まった会社というコミュニティは、少なからずそういうところだ。
そういうストレスと折り合いをつけながら、家族や自分の幸せのために精いっぱい生きるというのが、残念ながら現代社会のひとつの現実なのだから、そんなプレッシャーに負けてしまうのはどうなんだろう、という思いは僕の中にもあった。プライベートでストレスを発散させればいいんじゃないかと。
長くなりそうだから、つづく。