JINSメガネがぶっちぎりで躍進する4つの理由

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photo credit: JINS Air frame3 発表会 via photopin (license)
PCメガネなどで有名な「JINS」は、業界参入からわずか14年で、日本一メガネを売っている企業になったそうだ。

カンブリア宮殿で、その人気の秘密を特集していたんだけど、すごくシンプルなビジネスのポイントが見えてきたのでまとめてみますよ。

成功ポイント1「メガネをかけていない人にメガネをかけさせた」

JINSの爆発的な躍進には、PCメガネの大ヒットがある。

僕も毎日愛用しているJINS PCは、

「パソコンやスマホのディスプレイから出るブルーライトをカットして、目の疲れを軽減してくれる」というメガネ。

昨今のIT革命に乗っかってメチャクチャ売れたという。

これはドラッカーの言う「顧客を創造する」というやつで、今までメガネをかけていなかった人たちにメガネをかけさせたわけです。

同様に、花粉症の人のためのメガネや、ドライアイの人のメガネなども作り、これまでは「視力補助」という役割しかなかったメガネに付加価値をつけることで、日本一メガネを売るメーカーになれたのです。

昨今はメガネよりコンタクトの方が人気なんだけど、デザインにもこだわることで「メガネの方がいいじゃん」と思わせたわけです。

アフリカに靴を売るマーケティングの有名な寓話と同じで、メガネをかけていない人がたくさんいるのを見て「メガネなんて売れないよダメだこりゃ」と思うか、「ヤッター!メガネはもっとたくさん売れるぞー!」と思うかの違いですね。

成功ポイント2「「格安」「デザイン」というわかりやすいウリを見せた」

JINS SF - Sales Space
JINS SF – Sales Space / Peter Alfred Hess
僕や家内がJINSを愛用しているのは、ズバリ「安くて、デザインがいい」からです。

H&MIKEAと同じ。

ブランドのウリ(長所)がわかりやすいので、僕ら顧客も利用しやすい。

お金があって高級なメガネで見栄を張りたい人はJINSを買わないし、機能と価格とデザインのバランスを重視する人はJINSを買う。

そして世の中の流れ的にも「高級品を所有することで幸福感を得る」という価値観は薄れていっているので、JINSのようなブランドが強いわけです。

IKEAやニトリなどに押されて、大塚家具が焦った理由もここにあります。

H&Mは「ファッションの民主化を進めている」と言われているけど「JINSはメガネの民主化を進めたい」と、田中仁社長は言います。ちなみにJINSは仁という社長の名前から取ったんだって。

成功ポイント3「ITの方を向いている」

PCメガネは、パソコンやスマホを日常的に使用するようになった現代だからこそ売れた商品です。

そして今は、JINS MEMEという、目の動きを感知して、脳の状態や体の状態を測定するメガネを開発しています。

これは、まばたきや眼球の動きから、疲れや眠気、体軸のズレなどを感知して、スマホにデータを送信したり、居眠り防止アラームを鳴らしたりと、いろいろできるウェアラブルデバイスですね。

IT企業が作ったGoogleメガネはポシャったけど、メガネメーカーが作るウェアラブルデバイスのほうが、成功するかもしれません。

これからはメガネに限らず、あらゆるビジネスが「ITを用いて何ができるか」という部分に注目する必要があります。他のメーカーはITの方を向いているんでしょうか。

成功ポイント4「業界の外からやってきた視点」

JINS PC カスタム(度付き)
JINS PC カスタム(度付き) / Norio.NAKAYAMA
田中社長は、もともとはアパレルブランドをやっていた人で、たまたま韓国で「安くてすぐ作れるメガネ」を見て、メガネ業界に入ってきた人。元々は専門家じゃないんですね。

だから、既存の価値観に縛られずに、自由に新しいアイデアを生みだすことができている。

元々はコンピュータの専門家ではないスティーブ・ジョブズが、iPhoneで「電話を再発明した」のにも似ています。

長いあいだ誰も発明できなかったスノボーを探せ

こういう話をしていていつも思い出すのは、スノーボード。

スキーなんて、古くは紀元前2500年くらいの壁画に描かれていたり、10世紀には軍用に使っていた記録があったりと、途方もない歴史があるのに、スノボーが本格的に出てきたのは1970年代。

人類は何百年もの間、雪上を滑るのには二本の板を両足に装着するしかない、と思いこんできたわけですよね。

ようやくつい50年くらい前に、サーフィンみたいに一本の板に横乗りすれば、パウダースノーなんかもイケルしメチャクチャ楽しいぞ、って気づいたわけです。

人間て、それだけ既存の常識(=思いこみ)にとらわれているんですね。

JINSは「メガネは数万円もして、作るのに何日もかかる」という思いこみを突破した。1万円弱で、最短30分で作れるメガネを作った。

JINSの開発チームのテーマは「世にないメガネを作れ」というもの。

世界的にも、業界にはまだ「メガネは高くて時間がかかる」という常識がはびこっているそうで、アメリカ進出を果たしたJINSは、これからも世界的に伸びていくことでしょう。

個人的には、やっぱりJINS MEMEに期待してます。iPhoneやAppleWatchと連携させたら、いろいろ楽しくなりそう。