コラム/エッセイ

僕の愛しきベターハーフ

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中島らもが結婚式で使っていたキザなスピーチがある。

「人間はもともと球体をした生き物で、それが半分に断ち割られて今の姿になった。 だから自分に欠けている片方を探して回るのだ。」

新郎新婦よ、欠けている片方が見つかってよかったね、英語では配偶者のことをベターハーフなんて言うんだよ、これで二人は完全な球体に戻ったね、とおれのスピーチは締めくくられる。

これは哲学者プラトンの言葉らしいんだけど、なるほどいいこと言ってる。

つまり夫婦ってやつは、二人揃ってやっと完全なのだ。

僕も家内も、一人では半人前。

僕が持っていないところを家内が持っていて、家内の足りないところを僕が請け負う。それが夫婦の完全な球体なんだろう。

ところがどうだ。多くの夫婦は「あの人はあそこがダメ」「あいつには思いやりが足りない」と、相手の欠点を責めてばかり。僕らもかつてはそうだった。

けれど相手の欠点というのは、つまるところ自分の欠点なのだ。もともと同じ球体なんだから。

相手に足りないところがあるなら、そこはここぞとばかりにあなたが活躍する場面なのだ。責めてどうする(笑)

僕の家内はなんでも一人でやってしまう。僕や子どもたちに手伝わせればすぐに終わってしまうようなことも、一人で黙々と終わらせてしまう。

あまりに非効率なので「もっとみんなでやろうよ」と言い続けてきたのだが、最近は言うのをやめた。

彼女は人が嫌がることでも淡々とできてしまう代わりに、人にあれこれ指示することは苦手なのだ。

僕は逆に地味な作業を根気よく続けるのが苦手だけれど、人を乗せて一緒に楽しむのは得意。

だったら彼女は淡々と好きなようにやればいいし、僕は子どもたちも巻き込んで一緒に洗濯物をたためばいい。それでみんなハッピー。

そうやってあらためて考えてみると、どう考えても家内よりも僕のほうがずっとたくさんの足りないものを持っているわけで、いつも補ってもらってるんだなあと苦笑しながら感謝する。きっと彼女のほうもそう思っているんだろうけど。

▶ そうだ、竜さんに話してみよう

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