その日は朝から大忙しだったのよ。
ボクは昼前から夜中まで都内に出る用事があって、その前にできるだけ仕事を片づけたかったの。ママちゃんも小学校の本読みやら一週間分の食材の買い出しやら夕飯の用意だのしてから夜勤で、朝から大忙し。でも週末に夫婦でたっぷり遊んでリフレッシュしちゃったので、けっこう部屋が散らかってたのね。
つまりボクにもママちゃんにも、「今日絶対やりたいこと」が三つ以上あったわけ。
「100年日記」でコボリさんも言ってたけど、「今日絶対やりたいこと」あるいは「今日いちばん大切なこと」って、せいぜいひとつくらいがいいんだって。それ以上決めちゃうと必ず予定が破綻するか、そのうち心がぶっ壊れるでしょ。
だけどそうは言うけど、今日のボクらみたいに、なんだかんだやることが押しよせていっぱいいっぱいになっちゃうことってあるじゃない?
そういうもんだよね、ってこと。
いや、不思議な顔してどうしたのよ?いつもの通りそんなに大したことは言ってないよ。
いくらタスク管理とかスケジュール管理とかしたって、誰かと一緒に住んで、誰かと一緒に仕事して、人の間で生きているかぎり、やりたいことが重なってパンパンになっちゃう日とか、そういう一週間とかあるよねって話。
そういう「やりたいこととやるべきことでいっぱいいっぱいの日々」っていうのが、一日だとか一週間だとか一ヶ月だとかだったらいいんだけど、それが一年、二年とつづいて、終わりが見えなくなっちゃうと、かつてのボクやママちゃんのようにこころもからだもぶっ壊れちゃうんですよ。
だから今朝、家族みんな大慌てで準備とかしながらも、みんなで確認したのよ。
「今日はパパちゃん、仕事も用事もいっぱいで洗濯も掃除もできませーん!ママちゃんはもっと大忙しでーす!だからいろいろ足りないものとかあるかもしれないけど、なるべく自分でどうにかしましょー!明日みんなでちょっとずつ家を片づけたら、明後日もうクリスマスだぜー!」
って言っただけで、みんなの気持ちがまとまるっていうか、なんか家族がチーム一丸って感じになって、朝から変にテンション上がっちゃったよ。
「朝から元気出していこう!」とか体育会系なの恥ずかしいけどさ、いちばん大事なのってきっと「大切な人と心が離れないこと」じゃないかしら。