映画『インセプション』に見る心の鎖<トラウマ>の奥深さ

NETFLIXではじめて映画『インセプション』をちゃんと見てみたんだけど、心の鎖とかネガティブ・ビリーフとかトラウマとかに興味がある人は見たほうがいいですよ。

多くの人が「幼少期のトラウマから導かれた思いこみ」に苦しんでるんだけど、その「思いこみ」がどれだけ深いところにあるかを、この映画はバコーンと教えてくれます。

ディカプリオ演じる主人公コブは他人の夢の中に潜って情報を抜き出すプロ。

夢の中で眠ってさらに深い「夢の中の夢」に潜って、さらに「夢の中の夢の中」に潜ってと、どんどん深層心理を潜っていくうちに、自分が今生きているのが「現実」なのか「夢」なのかわからなくなるわけ。

突拍子もない設定に聞こえるかもしれないけど、でもこれが、本当に深層心理の世界であり、僕やあなたがぼけーっと信じこんでいる「現実」と「思いこみ」だったりするんです。この映画で言う「夢」とは「思いこみ」のことです。

たとえば僕は長年、「自分は好きなことをやってはいけない」「自分は何をやっても失敗するダメ人間だ」という思いこみを持っていました。でもその思いこみは、夢の中の夢の中の夢くらい深い深層心理の中にあったので、自分でも気がついていなかったんです。

誰かに「あんたはそういう思いこみを持ってるけど、それ夢だよ、現実と違うよ」と言われても、いやいやそんなことはないよ自分のことは自分が一番よく知っているよ、と反発したでしょう。コブの奥さんのモルが「あなたがおかしいのよ。正しいのはわたしよ」と言い張ったように。

でも僕は幸いにもそれらの思いこみに気づくことができたんで、パッカーンしたんです。それはつまり、「今まで自分の思いこみという夢の中に生きていたんだけど、やっと現実に気がついた」ということなんです。夢から目が覚めたというわけです。

インセプション(inception)とは<始まり・発端>という意味ですが、本作ではアイデアを「植えつける」という意味で使われています。つまりこの映画のタイトル自体、「思いこみ」と意訳してもいいくらいなんですね。

クリストファー・ノーラン監督の本作における問いかけを究極にざっくりまとめると

「あんたらが信じてるこの現実世界、本当に現実だっていえるのかー?」

ってことです。

即座に「言い切れる」と答えたあなたは、夢の中の夢の中の夢くらいのところにある「思いこみ」に支配されてるかもしれませんよ。モルのように否定するかもしれないけれど。

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