最近、なるべく作業時間を減らして考える時間を増やしています。
午前中の数時間は書斎のiMacに向かってあれこれ手を動かすけれど、お昼を食べてからは意図的に建設的な作業から離れちゃう。
はじめのうちは働く時間を減らすのがとても怖かったのだけれど、続けているうちに、そっちのほうがけっきょく効率的で生産性も高まるんだってわかってきました。
僕らは毎朝目が覚めると、寝ぼけたままの頭で目の前にかかったハシゴを登りつづけるような人生を送っています。
何も考えず、何も疑わず、歯を磨いて、朝食を食べて、仕事をして、ネットを眺めて、お酒を飲んで、寝て、また朝が来る、の繰り返し。
そうやって一生懸命「日常」というハシゴを登りつづけて、登り終えたときに、「あれ?自分が来たかったのはここじゃなかったんじゃないか」と気づいて途方に暮れる。僕はそんなことばかり繰り返してきたように思うんです。
今は朝起きたら、まずじっくり思い出します。
僕は何をしたいんだっけ?人生に何を求めてるんだっけ?今何にワクワクしてるんだっけ?
思い出したら、もう一層深く考えます。
なんでちょっと不安なんだろう?何を恐れているんだろう?それは本当だろうか?昨日決めたスケジュールはホントにこれでいいの?無理してない?
そうやって自分と対話すると、驚くほどクリアでシンプルな答えが返ってくる。
なぜなら情報に溺れている現代人は、人生の解像度を上げすぎてしまうあまりに、毎日が複雑化しすぎているんですね。
僕も最近思い出したのだけれど、人生は僕らが思っているよりもずっとずっとシンプルです。
そのシンプルでクリアな答えに辿り着くには、無駄なことをやって遊んだり、気持ちのいいビーチで日がな物思いに耽ったり、そういう人生の余白が必要な気がします。
そういうときに、とてつもない「気づき」が降りてきたりします。
「いくら本を読んでも勉強しても心が開きません。どうやったらパッカーンできますか?」って聞かれるので、僕は「本を読んだり勉強したりするのをやめてみたらどうですか?」と答えます。
高城剛さんも、健康面でも金銭面でも長く働かないことが大切だと言いますね。彼は1日4時間しか働かないそうですが、そのほうが生産性が高まる上に、結果「人よりも良い想い」ができるんだって。今日も世界中を飛びまわってうまいもん食って遊んでる高城さんは、たしかに人より良い想いをしてるだろうなあ(笑)。
糸井重里さんは、完全に秘書が作ったスケジュールに沿って仕事をするそうですが、逆に言えばスケジュールが入っていない時間は本当に自由に好きなことだけやっているみたいです。
僕には今のところ秘書がいないので、最近は自分に対してすごくすごくやさしい秘書を心の中につくって、ひたすら甘やかすスケジュールを組んでいます。それでも毎朝スケジュールが変わりますけどね。きっとそれでいいんです。
大切なことって案外、そのときになってみないとわからないものだから。