この前テレビで、リリー・フランキーさんが「暮らしている場所によって生活の優先順位が違う」というような話をしていた。「田舎はセックスと酒ばっかり」とリリーさんは笑う。
ぼくはすこし前に、青山の実家と茅ヶ崎の自宅を行き来する生活をしていたので、すごくよくわかる。
青山ではお昼ごはんを食べに出かけるときでさえ、着るものに気をつかう。通りを歩く人はみんなピカピカの靴を履いているし、ボロボロの服を着ている人だって、計算して洗練されたボロボロをまとってる。
茅ヶ崎ではファッションの優先順位はより低い。気をつかわないわけじゃないけど、キメすぎたら逆に浮いちゃう。それぞれの街に似合った服装がある。
青山ではお洒落で落ちつくカフェを探すけど、茅ヶ崎では海辺のよく日があたるぽかぽかポイントを探す。青山の夜は遅く、茅ヶ崎の朝は早い。みんなそれぞれの場所で、自分の優先順位を守って、気持ちよく暮らしてる。
ネットやSNSで人の間の距離が縮まって、楽しくもなったけど、それぞれの暮らす場所の、それぞれの「気持ちいい暮らし」までが縮まって、同じところに向かっていきそうなのは、なんだか寂しい。
みんなのやりたいこと、みんなの住みたい場所、みんなの優先順位が、同じはずはないのに。
誰かに憧れたり、羨んだり、違うなあと苦笑したとき、ぼくは自分の「気持ちいい暮らし」を思い出すようにしている。ぼくが選んだ場所と、ぼくが選んだ生き方を。
今の優先順位は、仕事より将来より家族のこと。あと出っぱりすぎたお腹のこと。時が経てばそれはまた変わる。でも誰かの順位とはいつも違う。人それぞれ、Life goes on.
Comments by 茅ヶ崎の竜さん
パタゴニアのトート&デイパックで犬と調和の取れた散歩を。
映画『バードマン』超ネタバレ!ラストシーンに隠されたライラックの謎とホイットマンの詩について
ボクはボクの今日を暮らす。アナタはアナタの今日を暮らす。
ブログはラジオ。〜人は一つの穴だけゆるめられない?
ウッディの内なる声。