コラム/エッセイ

他人のゾーンに引っぱられない。

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双極性障害、いわゆる躁うつ病というのは、ざっくり言えば、大きな調子の波が定期的にやってくるというものだ。

ぼくの家内も、ずーっと明るく楽しくアクティブに過ごしていたかと思ったら、だんだん無気力に支配されだして、しばらくまったく何もできない期間がやってくる。人生を憂えて哀しみにふけっているというわけではなく、ただただ、何もやる気が起きないという状態。それは何があったからとかではなくて、順番に訪れる。淡々と。

そんなとき、ぼくら家族にとって何より大切なのは、彼女の空気に引っぱられないことである。

ぼくなんかは家で仕事をしているので、四六時中家内と一緒にいるんだけど、そうなると、気づかないうちに、自分も無気力に引っぱられてしまうことがある。ぼくは自ら定めた生活の律に則って日々精力的に暮らしているつもりでも、いつの間にか、自覚のないままに生活のテンションが下がっていく。

家内本人にしても、家族には明るく笑って生活してほしいのだという。以前はぼくも、無気力な彼女に寄り添うことがやさしさだと誤解していたが、それより、家族みんなが元気ハツラツでいた方が、彼女も楽なのだ。ぼくらまで沈んでしまったら、家内はより自分を責めてしまうだろう。

「生きる」ということに、唯一コツみたいなものがあるとすれば、それは「自分の真ん中」にいることだと思う。どんな逆境に置かれても、最後には自分を信じ、他人の空気に引っぱられずに、自分軸で生きること。それが共依存を防ぎ、まわりの人のためにもなる。

高校生の長男は思春期なので不機嫌なことも多いが、そんなもんはほっといてこっちは勝手に笑って楽しんでりゃいい。

SNSで友人知人が楽しそうにしていたり活躍しているからって、自分の今日には何ら関係がない。

不機嫌な上司からは距離を置いて、心の中でぶっ飛ばせばいい。

子どもの頃に親や大人の顔色を伺って生きざるを得なかった人は、大人になってからも、得てして他人の空気に引っぱられやすい。でも大丈夫だと思い出してほしい。自分は、自分らしくあることが、一番大事だってこと。どんなときも、笑っていいってこと。

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