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こう見えてうまくいっている。

何もかもが。

心が雨漏りしてても。

身体が言うことをきかなくても。

子どもがいうことをきかなくても。

ひでえムカつく奴がいたとしても。

旦那に殴られても。

自分は無力でなんの価値もないと思えても。

どん底だって思っても、じつは、それはそれで、

こう見えてうまくいっている。

何もかも。

俺はこの一年ちょっと、けっこうしんどかった。

一年の半分くらいは、意味の分からない苦悩に心身を蝕まれてた。

でも、それが終わった今はよくわかる。

ああ見えてうまくいってたんだなって。

それはフェーズにすぎなかった。

フェーズ【phase】変化する過程の一区切り。局面。段階。|大辞林

苦しみながら人生を受け容れるフェーズだった。

次は、落ちついて世界を眺めるフェーズ。

そん次は、独りでやりたいことに集中するフェーズ。

あるいは、何も考えずに仲間とワイワイやるフェーズ。

俺たちの人生は、そういう「変化する過程の一区切り」の積み重ねであるはずなのに、

ずっとその矮小なフェーズがつづいてしまうように錯覚する。

錯覚すると、そのフェーズが終わらない。

朝が夜になる。夜が朝になる。

すべて、いつか終わり、また始まる。だから

こう見えて、ぜんぶうまくいっている。