山口達也が〈双極性障害〉だってね。昔でいう〈そううつ病〉ってやつ。ホントかどうか知らんけど。

マライア・キャリーも発表したね。ちなみにうちの奥さんもお義母さんもそうなんだけど。

ざっと見わたしてみると、ブラピとかレディ・ガガとかカニエ・ウェストとか、〈双極性障害〉や〈うつ〉を経験したセレブリティってけっこういる。かなり、いる。

小説家なんて見たら、中島らもや夏目漱石、川端康成に太宰に、いや数えきれない……キリがない。画家とかアーティストとか芸術家は多いね。

ロビン・ウィリアムズとかカート・コバーンとか、帰ってこれなかった人もいるし、そういや俺の知り合いでも帰ってこれなかった人ってけっこういるし、日本のお笑い芸人とかアイドルとか歌手とかでも、突然長期休暇を取ったりして、なんかそんな感じなんだろうな〜って人はいるよね。

アニマル浜口もプロレス引退後に〈うつ〉を通ったんだよな。ワッハッハ!とか気合いだ!とかダテじゃないんだ。

つまり、〈うつ〉とか〈双極性障害〉の人って、けっこう、いる。血を見たり問題を起こしたりして入院して投薬を続けるレベルかどうかっていう〈程度〉の問題でね。

そしたらさ、「そもそも〈双極性障害〉なんてない!」なんて豪語する医者がいてね。

けっこうヤバい目にもあって、長いこと入院したり、毎日薬を飲んでる家族を持つ身としては、そして俺自身、鬱で会社へ行けなくなった経験があるので、そんなわけないだろう!と思うんだけど、同時に、たしかに考え方ひとつでもあるな、とも思うわけさ。

〈そううつ病〉ってようするに、メチャクチャ元気な〈陽〉のときと、何もできないくらい死にそうに不安だったりやる気が出なかったりする〈陰〉のときの差が強烈に激しい人のことをいうわけで、全体的に見ればそれは、

すんげーしんどい〈時期〉と、ワイワイ楽しんじゃう〈時期〉がある。

ってだけなんだよな。程度の問題で。グラデーション。

症状とか病ってんじゃなくて、〈時期〉であり〈フェーズ〉。

だから俺は〈そううつ〉じゃなくて〈陽のとき〉と〈陰のとき〉って呼んだりする。

そう考えてみるとね、アラフォーにもなってまわりの人を見わたせば、人それぞれ〈陽のとき〉を快活に生きてる奴もいれば、〈陰のとき〉を堪え忍んでる奴もいる。

俺自身もそう。親父が死んで一年くらいは、あれこれの自己否定がぶり返して、なかなかしんどい〈陰のとき〉を過ごしてた。それは他人から見れば「まだショックが抜けないのねえ」だし「今あいつ病んでるんだよ」ってなもんで。

そんで今は〈陽のとき〉を過ごしてる。

生活に支障をきたすレベルの症状に〈双極性障害〉と名づけて適切な治療や投薬を行うことは間違ってないけど、俺たちってこういう〈名前〉にずいぶん惑わされるんだよな。

心筋梗塞とかの突然死だって昔は〈ポックリ病〉なんてカワイイ名前があったじゃん(と、古谷実が言ってた笑)。

〈先天性音楽機能不全〉なんていうと、どんな難病なんだと思うけど、〈音痴〉の正式名称なんだってよこれ。

なんでもそうだけど、世の中のあれこれ、名づけた瞬間にとっても狭くて小さい意味に限定されちゃう。

「社長」っていうと、立派でお金持ちでって想像しちゃうけど、中にはスゲえ貧乏な社長もいるし、お金持ってるけど極悪人って人もいる。

「不登校・ニート」なんて言うと、部屋に閉じこもって精神を病んでるとか思いそうだけど、ドロップアウトしてメッチャ楽しんでる奴らをたくさん知ってるし。

老子も「名前をつけた瞬間、それはそれでなくなる」と言ってる。名前があると便利だけど、名前があると本質を見失うんだな。

名前は記号だ。名前は側面だ。名前はフェーズだ。名前なんて、意味ねえ。

……なんて、話がとっちらかっちゃったけど、最近はタイとかアジア系の料理が好きでね。

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▲ これはパッタイ。タイ風焼きそばって呼んでも通じるだろう。ミーゴレンって言ってもわからない? 名前なんて……笑。

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▲ これはガパオ。米じゃん。原宿のあのお店、知ってる?

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▲ これはカレー。卵ふんわり。茅ヶ崎よ。

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▲ これはフォー。おいしいよねえ。