at Sunset
at Sunset / Scinern
 

十万人に一人の確率と言われる若年性パーキンソン病を患ったマイケル・J・フォックスは、著書『ラッキーマン』の中でこう言った。

「この病気にならなければ、僕はこんなにも豊かな気持ちで生きることはできなかったはずだ。こんな贈り物をもらった僕は世界一しあわせな男(ラッキーマン)だ」

今の僕にはその気持ちがとてもよくわかる。

僕は昨年の夏に倒れた後、ゆっくりじっくり時間をかけて切れた糸を紡ぎあげて、壊れた心を修復した。

その中で、今まで見失っていた多くの大切なことを再確認し、世界のありようを色眼鏡なしに眺め、自分はあらゆるものを持っていることを知った。

僕は病気になってよかったと、心から思っている。もしこの贈り物をもらっていなかったら、僕は今日も、自分でもよくわかっていない夢とやらを追いかけて、歯を食いしばってつらい毎日を生きることが正しいと信じて歩いていただろう。

そんな僕が、あらためて2015年をしあわせに生きるために決めたいくつかのことを記しておきたい。

2015年を豊かにしあわせに生きるために決めた5つのこと

1.目的と本質を明確にしろ

成功してしあわせになるための最も大切なことは、そのものの目的と本質を見極めることだ。

わかりやすいのは仕事だ。あなたの仕事の目的と本質は何だろうか?

僕がやっている情報発信(ブログや情報サイト)という仕事の目的は何だろうか。アクセスを増やして広告費を稼いだり記事を通じてモノを買ってもらってアフィリエイトでお金をもらうことか。違う。それは目的の一つではあるけど、本質ではない。

誰かの役に立つ有益な情報、誰かがしあわせになる大切な情報や物語を提供し続けることだ。他人の需要に応えることが、最終的にはお金をもたらしてくれる。

何かを与える相手のことを考えれば、おのずとやるべきことは見えてくる。

それはどんな仕事にも言えることだけど、残念ながらビジネス本にはあんまり書いてない。自分自身が見つけるしかないのだ。

生きる目的としあわせの本質を理解していれば、ストレスや過労で鬱になることもなかったはずだ。僕のしあわせは、あなたのしあわせとは違う。

2.健康を第一にしろ

「元気があれば何でもできる」というアントニオ猪木の言葉は神レベルだと思う。

元気がなければ何もできないのである。バリバリ仕事をこなすのにも、アホみたいに食って飲んで朝まで騒ぐのにも、険しい山に登って荘厳な景色に感動するのにも、仕事の後に夢のための勉強に勤しむのにも、とにかく体力がいる。

大切な仕事や人づきあいがあっても、まずは身の健康を第一にする。その基盤をしっかりしないと、仕事も遊びも人生も中途半端になる。疲れたら寝てしまえ。つらかったら休んでしまえ。

3.世界中を疑え

言うまでもなくこの世界なんて嘘と欺瞞に充ち満ちているんだけど、それよりも厄介なのは、高度情報化社会にはびこる「一見正しい教え」だ。

僕らは毎日息をしているだけで洪水のような情報の波にさらされている。FacebookやTwitter、バイラルメディアにライフハック系サイト、個人ブログ、書店には数多の有名ビジネス本。

それらの情報のほとんどは、一見誰にでも有益だし、役に立つすばらしいものかもしれない。みんなが認める大手メディアであれば信頼性も確実だろう。

けれど、それらの情報は本当にあなたに必要なものだろうか?あなたをしあわせにしてくれているだろうか?

この世には毎日ランニングをしなくてもしあわせに暮らしている人はごまんといる。煙草を吸いつづけて百歳まで生きる人だっているし、本なんてほとんど読まずに大富豪になった人だっている。

情報の取捨選択ができなくなると、それはもはや信仰だ。信仰がもたらすのは盲目的な思考停止であり、思考停止は楽ちんだけど後でとんでもないことになる。下手したら死ぬよ。

疑うってことはわるいことじゃない。自分の目をもう一度取りもどそう。

4.人生のすべてを楽しめ

夢や目標を達成するためには、つらいときだってある。大切な人々を守るためには、歯を食いしばって我慢しなければならないことだってある。

というのは、もうやめ。

これはなかなか人に説明するのは難しいんだけど、人はやろうと思えばすべての瞬間を楽しむことができる。

しあわせになるには、好きな仕事をするか、自分の仕事を好きになるかだ、と誰かが言っていた。それも一理ある。イヤだったらやめればいいし、やめられないなら好きになるしかない。それもできないなら好きな仕事に就けるように自分を磨くしかない。

そういう目的と本質が理解できていれば、人生のすべてを楽しめるはず。

無理?無理かな?でも今よりもっと楽しもう、とは思えるはず。あるいは楽しいことをもっとたくさん考えて、そればっかりやるように自分を仕向けよう。

好きな作業を夜中までしこしこやってると、楽しい、よね。

5.走るな、歩け。淡々と。

結果は大事だけど、結果は気にするな。

それよりも今、自分自身の全力で物事にあたっているかどうかに気をつけたい。今は効率化とかスピードとか小手先のライフハックばかりがもてはやされる時代だけど、まずはそこ。

結果を気にしないで、目的と本質を見極めて、正しい行動を続けていけば、いつの間にか結果が出ていて、あらうれしい!くらいでいいと思う。長期的な視野。

成功している人は走ってない。みんな淡々と歩いてる。そういう人たちがますます成長して躍進する様子はスピードがあるように見えるけど、それは彼らの歩くスピードが速いだけ。

ずっと走りつづけることはできないよ。僕は昨年、ごっついスピードで走りはじめて、半年で転んで、立ちあがるまでにもう半年かかったからよくわかる。

6.かけがえのない自分を人と比べるな

気がついたら自分と誰かを比べてしまうのが人間。

でもそれはもう本当にクソみたいにどうでもいいこと。ビル・ゲイツは「他人と比べることは自分を侮辱すること」みたいに言ってたね。

あるいは自分を全体で見ようよ。仕事とかの一部分で負けてたとしても、他の部分では勝ってるじゃん俺、でいいじゃないの。

他人は、あいつはあいつより劣ってる、なんて考えてない。他人の目を気にしてる暇があったら、わくわくすることをもっとたくさん考えよう。

僕は、あなたでは、ない。

7.悪口を言え

「自分が放った言葉は自分の耳からまた入ってくるから、光のある言葉を選ぼう。悪口などの呪いの言葉は自分を呪ってしまうよ」

なんてことを言って暮らしていたら、悪いものが心の奥底で発酵して、僕はパンクしちゃったよ。

人をおとしめろ、とか、陰口をたたけ、って言ってるんじゃない。イヤなことはイヤ、キライなことはキライ、苦手な人は苦手、って、思ってもいいんだよね。

もちろん人前で口にする必要はないけど、気のおけない仲間や伴侶には、ちょっとくらいグチがもれちゃったっていいじゃない。

本当はネガティブな感情を持っているのにそれを否定すると、自分の息が詰まる。自分も含めて否定はダメ。否定しない上手な悪口ってのもある。

まとめ「立ち止まる勇気と、世界を眺める余裕を」

僕は昨年の後半に立ち止まったおかげで、世界のいろいろをあらためて見つめることができた。

人は無我夢中で走りつづけているとこんなにも視野が狭くなるのか、と、自分の見ていた景色に驚愕した。それほどに僕の考え方は狭くなっていた。

忙しない現代で成功するためには、立ち止まっている余裕なんてないかもしれない。

でも立ち止まると、本当にいろんなことが見えてくる。自分が追いかけていた夢や目標や成功が、本当は自分が求めていたものではないなんてことはよくあることだ。

自分は成功したいのか、しあわせになりたいのか。それがわかっただけで、僕は世界一のしあわせ者だと思うんだ。

さあ、今年も歩こう。いろんなものをチラ見しながら、淡々と、鼻歌を唄いながら。

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