映画

狂気ドバドバ。中村文則『銃』映画化は2018年11月公開。『百円の恋』の武監督。

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この前、 中村文則の『銃』って小説を読んだんだけどね。

文庫本の帯に「衝撃のデビュー作!」って書かれてあって。

俺にはスゴく静かに深く何かを刻まれたような小説だったから、「衝撃」って表現はえらく陳腐でそぐわないなあなんて苦笑したんだけど、でもたしかに新人賞の応募作にこの作品が送られてきたら選考委員たちはかなりの衝撃を受けただろうね!

帯にはさらに「映画化決定」って書かれていて、こんな観念的というか、人間の内面がぐるりとどぎつく変容していく様を克明に描いている物語を映像化なんてできるのかいな、と思ったんだけど、調べてみたら、

主人公が村上虹郎くんで、

女の子が広瀬アリスちゃん、

刑事がリリー・フランキーさんで、

監督が『百円の恋』の武正晴さんだっていうから、

それならもう原作の再現度とか映画の出来は別にして観てみたくなったよ。

ただ、公式サイトの雰囲気やトレーラーを見ちゃうと、正直なところ、出オチっていうか、はなっからおっかないところドバドバ出ちゃってるやん。

『銃』っていうタイトルで、フィルム・ノワール調の暗い色彩で、虹郎くんが虚ろな表情で拳銃を構えてたら、見たまんま

「ああ、撃っちゃうんだろうなあ。ぜったい殺すよなあ。狂気だよなあ」

っていうのが、ドバドバ。

余計なこと言うと、原作は丁寧に書かれた小説だから、すぐに狂気とか殺人とか連想する感じじゃないんだ。

もっと静かに淡々とした、むしろ退屈な日常の営みから、いろんなことが徐々に変容していくコワさ。

いつの間にか、気づかないうちに闇に包まれているようなコワさ。

理解の範疇にいたはずなのに、気づいたら理解できないところに立っているコワさ。

あれ、いつの間にこうなった? って、暗闇で後ろを振り向いてしまうようなコワさ。

そういう浸食されていくコワさにゾッとするんだけど、映画だと宣伝段階からドバドバ出ちゃってるじゃない、そういうコワさが。

そういう、のっけから、狂気でっせ! 人間の闇描いてまっせ! っていうのを見せてしまう映像作品で、この小説をどう描いてくれるのか、とても楽しみです。そのへんは、映像ならではの芸術性とか描写でおもっきし見せつけてくれると嬉しいね。

『百円の恋』よかったですからね、武正晴さん、楽しみです。

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▲ アリスちゃんハマってるわあ。

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