前にね、知り合いのおばちゃんとお茶してて、身体の話になったの。
「最近、膝が痛いんすよねえ」
「あーそれ、尿酸値でしょ、そうでしょ、尿酸値。通風予備軍。君ラーメンばっか食べてるからね。食生活と運動不足。水飲んだほうがいいよ水。1日2リットル。揚げ物も控えないと」
医者に言われたこととだいたい同じだったから、ああ、さすがに仕事もできるしなんでもよく知ってるなあこの人は……って、感心してたんだよね。
その後、プラモ屋のおじさんともその話になったの。
あ、プラモ屋のおじさんていうのは、近所の飲み屋でよく会う、昔プラモデル屋を経営してたっていう、今は何やってるのかわからないじじいのことなんだけどね。
「膝痛いんすよ」
「年だな」
で、会話終了。
イヤイヤ笑、と思って、
「尿酸値高いらしいんすよ。プリン体?ラーメンとかトンカツばっかり食ってるからですかねえ。食生活と運動不足を改善して、水も飲むようにしてるんす」
って言ったら、じじいいきなり大爆笑。
ヒイヒイ腹を抱えて笑ってから、バカでも見るような目で、
「医者みたいなこと言ってんじゃないよ。年とったら何かしら出てくるわ」
って、また笑って、
「まあ、好きにしなよ」
って。
同じ〈膝が痛い〉って話に対して、こんだけ対応が違うんかい笑。
しかも、じじい笑いすぎだろ。
でも、笑ってるプラモ屋のおじさんのほうが、なんだかんだいっつも笑ってるんだよな。
言ってることはおばちゃんのほうが正しいんだけど、プラモ屋のおじさんのほうが、いつも楽しそう。
あと、おばちゃんは「○○しなさい」って言うけど、おじさんは「好きにしな」って言う。
病でも境遇でもなんでも、「そういうもんだ、それがどうした(Ⓒ村上春樹)」で生きてる人は、つええなって笑。
問題の原因を明らかにするのもいいけどさ、そのまま生きてくっていうね笑。
なにも、対処しないっていうね。
そんでなぜか、プラモ屋のおじさん、ボクよりだらしない暮らししてるっぽいのに、スゲえ元気なの笑。
ボク?ボクはアレですよ、ビビリながら、走ったり水飲んだりしながら、だましだまし、ラーメンとかトンカツ食ってたら、ザーヒーガテーイーの治ってきたな。
▲ 海老名SAではいつもザボンさん。