台風の海を見ると、パワーをもらうんだよね。ホント、何度見ても、ものすごいんだから。
サーフィンへたっぴだし体力ないから、こんな大きな波のときは入らないけどさ、ボクなんかこの半分くらいの大きさでも、ひっくり返って揉まれて息できなくなって死にそうになって、浜辺に逃げ帰ってくるよ。
そういう経験があるから、台風のめちゃくちゃデカい波とか見ると、ものすごくて笑っちゃって。
なんかわかんないけど、ものすごいぞ、ヤバいぞ、とんでもねえぞって、自分のなかにもパワーが沸いてくるの。
最近、いろんなものからパワーをもらうね。うまいもん食ったって、パワーもらう。
うちの奥さん料理うまいんだけど、さらに、もう二十年くらい一緒にいるから、ボクの好きなもの好きな味つけもわかってるの。だから外でメシ食うより絶対的においしいわけ。
それを家の食卓で、キンキンに冷えたビールかなんかと一緒に食べたら、うまっ!なにこれ!うまっ!って毎回言ってるよ。だって毎回うまいんだもん。
世の中にこんなにうまいもんがあって、それを作ってくれる人がいて、って思ったら、またなんかわかんないけど、俺もやったんぞ!命燃やしたんぞ!うおりゃー!っていうパワーもらうんだよね。
まあ、つまり、そもそも人は、パワーあるものからはパワーもらうんだと思うんだ。
そんで、この世界に存在してる素敵なもの、輝いてるものって、みんなパワーに充ち満ちてる。
猫カワイイ。たまんねえ。やったんぞ!とか。
俺のドゥカティ超カッコいい!よっしゃ!とか。
焼き鳥超うまい!うおりゃ!とか。
F1とかバスケとかサッカーとかボクシングとかに熱くなるのもね、パワーの塊でしょ、スポーツって。世界最高峰に上り詰めるためにパワー全開で生きてる人たちだからね。そりゃボルテージ高いよ。
でもさ、けっきょく、そうやって電圧高くパワフルに自分を全開に発揮してる人とか、素敵な輝いてるモノとかにパワーをもらうには、自分自身の電圧が低かったらダメだね。自分が弱ってたら、持ってかれちゃう。逆にやられちゃうよ。
ボクも、親父が死んでから数年、死んでたもん。あれは、生きてるようで死んでたよ。しんどくて、どうにかしたくて、足掻いて、でも暗い理屈の井戸にいたからね、何したって無駄だった。
ホント、理屈じゃないのよ。苦しいことって。理屈で、どうにか解決しようとしても、ダメだったね。
ただ、やるべきことが終わって、それなりの時間が経って、みんなと一緒に変化に慣れていってっていう、自分だけの話じゃないからね、生きるってのは。
ハートなんだよね結局は。気概。気持ち。覇気。ハート。それは精神論とかじゃなくてさ、人が生きるための力。
だって、気力がなけりゃ何もできないじゃん。
気力がないと、楽しいことだって、つまんないのよ。
だからさ、気力が減じることもあるわけでしょ、生きてりゃさ。そういうときにね、無理して、理屈こねて、ああだこうだ足掻くよりも、ただ、生きてくっていう姿勢、局面も大事だと思うんだ。
気力が勝手に出てくるのを待つ、それまでどうにか生きていこうって、そんなんでも、歩みをやめなかったら、そのうち、いろんなもんにパワーをもらえるようになると思うんだ、うん。
しかし台風スゴかったね。パワーありすぎてね。パワーね、もらうよね。なんでも。いい本読んでも、映画見ても、がんばってる人見ても、カッコいい人見ても。沸いてくるよね。