牧歌的な海の街に住んでいるからか、たまに都心に出ると、攻撃的な人が多くてビックリする。

電車の中でイライラしてるおじさん。歩きながらスマホで怒鳴ってるサラリーマン。ものすごい形相で子どもを叱りつける母親。他にも、道ゆく人々はしかめっ面ばかり。

おっかねえなあ、と思う反面、みんな、いろいろがんばってるんだなあ、ごくろうさん、と思う。

攻撃的な人ってのは、苦しんでる人だ。

誰かに攻撃されて、それから自分を守るために、防御態勢を取り、他人にも攻撃的になる。

責められた者が夕暮れ、さらに誰かを責める。人が集まる都会には、そんな連鎖が広がってるのかもしれない。

映画『記憶にございません!』で中井貴一が演じた総理大臣も、記憶を失う前は、いつもイライラして、攻撃的で、国民の嫌われ者だった。

でも彼だって、どこかで、一からやり直したいと思っていたはずだ。

一生懸命がんばってきたのに、気づいたら、道を誤ってた。泥沼で、やっと気づいた。そういうことは、誰にでもある。

人はなかなか変われないが、生き方を選ぶことはできる。

それを妨げるのは、過去のしがらみや罪悪感。

でもでも、そんなの全部ひっくるめて、過去だ。

そして過去って、じつは、記憶でしかない。

過去を確実に証明するものは、じつは、ない。

だとしたら、ときには、都合の悪いことには「記憶にございません!」と強引に言い放って、一からやり直したっていいじゃないか、なんて思ったりもする。

それを日常的にやっちゃう政治家には困ったもんだけど。

中井貴一の喜劇俳優っぷりを観に劇場へ足を運んだのだけれど、期待通りたっぷり堪能しました。

もっかい観たいな。さあ、明日へ。昨日? そんなもんは忘れた。

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