story telling.
story telling. / shannon abigail simbulan.
人生の最大の不幸のひとつは、想いが届かないことだ。

同じようなお願いをしているのに、あの人は受け入れられて、自分だけ断られた、という経験はないだろうか。

信頼度や実績の差もあるだろうが、じつは「伝え方」そのものに問題があるのだという。そしてちょっとしたコツさえわかれば、「伝え方」は簡単に学べて、今すぐに実践できる。

「トイレをキレイに使っていただいて、ありがとうございます」

最近のコンビニのトイレにはこう書いてある。以前は「トイレをキレイに使ってください」とそのままストレートに書いてあったはずだ。

正直言って、「キレイに使ってください」と言われても、よほど機嫌がよくなければ「オッケー♫ 汚さないように気をつけるよ!」とはならない。虫の居所が悪ければ「うるせえ」と舌打ちして終わりだ。

だけど「ありがとうございます」と先手を打たれると、思わず「まあしょうがねえな」と、汚さないように気をつけている自分がいる。「なんかウマイ言い方で丸めこまれた気がするけど……」と思いつつも、コンビニ側の「トイレを汚してほしくない」という要望はきちんと果たされている。

こういうのを『伝え方』というのだ。

「できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?」

これはファーストフードでハンバーガーを頼んだら言われた言葉(本書より)。

そのまま「4分ほどお待ちいただけますか?」と言われると、急いでる場合なんかは「ファーストフードなのに!」って思っちゃうかもしれないけど、こう言われると不思議と納得してしまう。

「できたてを〜」と言われるくらいでごまかされないよ、と思うかもしれないけど、たったこれだけのメリットで人はけっこう気持ちよく受け入れてしまうものらしい。

以前どこかで読んだんだけど、心理学の実験で、コーラを相手に渡してから重労働をお願いするのと、何も渡さないでお願いをするのでは、受け入れてくれる確率が段違いだったらしい。たかが1本のコーラでも、人は何かメリットがあれば動いてしまうんだって。

僕の経験から言うと「申し訳ありませんが〜」というのを前につけるのはあまりよくない。客というのはすぐに調子に乗るものだから、言葉のはじめから下手に出ると、たいしたことじゃないのに大事のように文句を言い出すやつがいる。もちろんTPOによるけれど、ガテン系で働いているとよくわかる。

心に響くコトバをつくるレシピ

お願いをするときの技術だけでなく、他人の心に響く「強いコトバ」をつくる5つのレシピも紹介されている。

人の心に響く言葉には、共通の法則があった!

サプライズワードを入れたり、反対の意味の言葉を前に置いたり、体の反応を入れてリアルにしたり、リフレインしてみたり、簡単だけど効果的な方法がわかりやすく紹介されているので、興味のある方は本書を読んでください。

「おまえのためにチームがあるんじゃねえ!チームのためにおまえがいるんだ!」とかね。この記事のタイトルもそうだけど。

自分のハッピーと相手のハッピーをつくりあげる。

Shout!
Shout! / greencandy8888
お願いをするときの技術は、要は「物は言いよう」で、自分の要求を呑めば、あなたもハッピーになりますよ、という言い方を上手に考えよう、という話だ。win – win(自分も勝ち、相手も勝つ)というやつ。

そんなこと普段からやっているよ、という人もいるだろう。かくいう僕も八方美人で人に気を使うタイプなので、この本に書かれていることのいくつかは日常で無意識に実践していた。

それらを誰にでも使えるように体系化しているのが、この本のすごいところだ。

心に響くコトバをつくる5つのレシピも、それらを応用した強い長文をつくる技術も、どこかで聞いたことのあるものもあるんだけど、こうしてまとめてあると、あらゆる言葉や文章にも適用して、いつでも使えるようになる。

ノウハウとしてはそれほど複雑ではないので、僕もわかりやすく箇条書きにまとめて、今後の執筆や人生に役立てようと思っている。

相手を不愉快にさせないメールの書き方とかもけっこう参考になりました。

いろいろあるけど、まずは自分の頭の中をそのままコトバにしないということ、が大事かな。

▼ ここだけの話!kindle版もあります!