最高のシェフに学んだ、料理がうまくなるための4つの奥義

Happy Thanksgiving to You!
Happy Thanksgiving to You! / vanhookc

僕はいちおう元プロだけど、たいした料理人ではなかった。

けれど、尊敬できるシェフの元で真剣に料理に向きあった日々は、料理に対する基本的で大切な姿勢や考え方を教えてくれた。

僕が師事していたフレンチのシェフは、フランス料理だけでなく、イタリアンも和食も中華も、なんだってできた。本当の料理人とはそういうものであり、彼らはジャンルにとらわれない一流の腕と一貫した哲学を持っている。

それらはプロフェッショナルだけでなく、毎日の食卓に幸せを運ぶ主婦にだって役に立つものだ。

未熟な僕なりに、偉大な料理人たちに学んだ料理のポイントをまとめてみた。

料理がうまくなるための4つの大事なポイント

なぜそうするのか?を考えろ

ginger chicken
ginger chicken / ginnerobot
 

「炒める」という漢字には「にあてる時間をなく」という意味が込められているという。

中華料理の基本が「強火で短時間」なのは、食材の歯ごたえや風味・色味を失わせず、旨味や栄養分を溶出させないためだ。

すべての調理行程には意味がある。

なぜそこでバターを入れるのか? なぜ先にニンニクを炒めるのか? なぜ醤油は鍋肌からまわすのか? なぜタマネギをアメ色になるまで炒めるのか? なぜ蕎麦は冷たい水でしめるのか?

そうやって考えながら料理をしていれば、料理は楽しくもなり、自ずと腕は上がっていく。

逆に言えば、何も考えずにクックパッドの言うとおりに作るだけの人は、永遠にクソみたいな料理を作りつづけることになる。

料理は数学だと思え

toque
toque / jenny downing
 

シェフの口癖は「料理には方程式がある」だった。

タマネギの甘みとワカメの食感と味噌の風味を足すことでおいしいお味噌汁ができるように、相性のいい食材を組み合わせるのが料理の基本である「足し算」

そこに昆布だしや鰹だしなどの味のベースとなる旨味成分を入れることで、味噌汁はぐっとおいしくなる。それだけで何倍もおいしくなってしまうようなマリアージュな組み合わせは「かけ算」となる。

レバーを牛乳に漬けこんだり、牛スジ肉を下茹でするのは、食材の臭みや硬さを取り除くための「引き算」

こうやって数学的に考えると、自分がどんな料理を作りたいのかが明確になり、料理の幅が広がり、味も格段に上がる。

優れたレシピを因数分解してみれば、なぜその料理がおいしいのか理解できるだろう。

相性のわるい食材を組み合わせて「割り算」にならないように気をつけよう。

「おいしくなあれ」の呪文は効く

Cooking adobo.
Cooking adobo. / NicoleAbalde
 

シェフがポタージュ用の野菜を炒めながら「おいしくなあれ、おいしくなあれ」と呟いているのを見たことがある。

誰よりも料理に厳しいシェフがそんな子どもじみたことを言うとは思っていなかったので驚いたのだが、シェフは真顔で「この呪文効くんだぞ」と言った。

シェフは呪文を唱えながら、鍋の中の食材をじっくりと観察し、火力を調整し、かき混ぜる手の動きを変え、何度も味見をして、塩を加え、丁寧に丁寧に作業をおこなった。

野菜を炒めるくらい片手間にできそうなものだが、ポタージュスープの味のベースはこの野菜の旨味・甘みであり、それらをしっかりと引き出せるかどうかが味の決め手なのだ。その一見重要でなさそうな行程を、丁寧に丁寧におこなうのに、たしかに呪文は効いている。

「料理は愛情!」が口癖の料理人タレントがいたが、あれは本当なんである。

「おいしくなあれ」と口に出して言いながら調理をすると、鍋の中に愛情が注がれていくのがよくわかる。ぜひ試してもらいたい。

食べるのが好きな人と暮らせ

DSC00822
DSC00822 / Travis Hornung
 

「何を食べるかじゃなくて、誰と食べるかなんだよな」と言った人がいた。

上司や取引先の接待で食べる会席料理よりも、気のおけない仲間と食べる赤ちょうちんの焼き鳥のほうがおいしいのはそういうことだ。

どれだけおいしい料理を作っても、喜んでくれる人がいなければハリがない。自分以外の、食べてくれる誰かの笑顔があるから「おいしくなあれ」の呪文が効くのだ。

あなたの奥さんの料理が下手なのは、あなたが食事中もテレビばかり見ていて「おいしいね」と言ってあげないからだ。

誰にだっておいしい料理は作れる

料理なんてそんなに難しいもんじゃない。

料理教室に通うくらいなら、自分の母親が作ってくれていたメニューを教えてもらう方がずっと勉強になるし、あなたがどれだけ愛されていたのかがわかるだろう。

ようするに、どれだけ愛情をこめて、丁寧に作れるかどうかなのだ。愛情以上の調味料はない。

以前シェフが気まぐれにまかないを作ってくれたことがあった。

シェフは長ネギをフライパンで焼いて、丁寧に焦げ目をつけてから味噌汁に入れた。

味噌汁をひとくち啜ると、長ネギの濃厚な旨味と甘い香りが口中に広がって、思わず声をもらしてしまうくらいおいしかった。現役の料理人だった僕は、一杯の味噌汁に鳥肌が立った。

本物の料理人と素人のいちばんの違いは、料理にかける想いだ。

だからあなたにだって、珠玉の味噌汁を作ることができるはずなのである。

 

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