今日は、なかなか成功できない人、人生がうまくいかない人、世界に文句がたくさんある人に向けて、運と実力、不条理についてお話ししてみたいと思います。うまく伝わればいいのだけれど。
「成功するためには、運と実力の両方が必要だ」と言われますが、ある大変に成功されている経営者の方は「成功は100%運だ」とおっしゃる。
がんばれる人間に生まれついたラッキー
「日本に生まれたことがまずラッキーです。親からきちんと教育をしてもらったこともラッキー、私が会社を起こした時に良い取引先に恵まれたこともラッキーです。全ては運が良かっただけでした。私は、それをたまたま享受できたに過ぎません。」
すべてラッキーだとおっしゃるこの方ですが、時には歯を食いしばりながら様々な苦境を乗り越えてきたこともあるでしょう。
けれどその「がんばった」ことすら運だと言います。
「頑張れるように生まれついた、ということも一つのラッキーです。」
「私は「たまたま頑張れない社員」がいることも含めて、会社だと思っているんです。彼は運がまだ向いてきていないんです。運は皆に分けなければいけない。だから、全員昇給させるんです。」
僕もこれまでの人生で、何度もこう思ったことがあります。
「どうして自分はここでもっとがんばれないのだろう?」「あの人があんなに軽々と続けていることが、どうして自分にはできないのだろう?」
そして思うのです。「僕だってもっとがんばれる人間になりたかったのに!」
あなたが仕事に情熱を傾けられないのは、あなたのせいでしょうか?あなたに恋人ができないのは、本当にあなたのせいなのでしょうか?
悪いのはあなたじゃなくて「運」かもしれない。
先日、「そこのみにて光輝く」という映画を見ました。
心に傷を抱えて自暴自棄な生活を送る主人公が、ふとしたことがきっかけである悲惨な家族と関わることになります。
スラム街にあるようなバラック小屋に住む四人家族。父は脳梗塞で寝たきり。母は病気で性欲が異常に強くなった父の性欲処理に気が狂いそうになり、息子は刑務所帰り。その姉は体を売って一家を支えながら、一筋の光も差さない最低な人生を送っています。
彼らがこのような生活を送っているのは、彼らが悪いのでしょうか?
傷害事件を起こして逮捕された息子は、育てた母親が悪いのでしょうか?父親が脳梗塞で倒れたからなのでしょうか?頭が悪かったから?環境が悪かったから?
違いますよね。圧倒的に、運が悪かったのです。
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4月19日テアトル新宿・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー‼!
【予告編】
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— 映画『そこのみにて光輝く』公式 (@hikarimovie) 2014, 2月 26
前を向いていると、運も向いてくる。
逆にたとえば、サッカーの本田圭佑選手は、あの鉄のような意志とたゆまぬ努力だけでACミランに入ることができたわけではありません。オリンピック出場者が何人もいるスポーツ系の家族に生まれ、サッカーに集中できる環境があって、幾度もの挫折があったからこそ、あの負けん気が活きたわけです。
テニスの錦織選手だって、子どもの頃からアメリカで英才教育を受けることができました。マーク・ザッカーバーグだって、生まれたときからすでに天才だったわけです。
そんな彼らの輝きと比べると、僕やあなたが持っている「運」は、本当にちっぽけなものに見えるかもしれません。まさに不条理で、世の中は公平に不公平です。
けれど悲観することはありません。「運」ていうのは、「ある・ない」というのではなくて、「向いてくる」もののようですから。そしてある程度は、自分で運を持ってくることができるようです。
あれができない、これもできない、と嘆くのではなく、自分ができることをやり続ける。
失敗や挫折から自分を恥じるのではなく、もっといい方法を探していく。
運が悪いんじゃなくて、運が向いてきていないだけ。運が向くのがちょっと遅いだけ。
そうやって前を向いていれば、運も向いてくるらしいですよ。だって悪いのはあなただじゃくて、運なのですから。
映画でも、少しずつ前を向いた姉弟に、クライマックスで一筋の光が差します。希望が見えるのです。僕らだってきっと「そこのみにて光輝く」ことができるのです。