こんなニュースを見かけました。
ざっくり説明すると、
「子どもは褒めておだてて伸ばす」という子育て方針の辻ちゃんが、専門家にデータを出されて「それだと成績下がるよ」と否定されて困っちゃった。
というお話。
「褒めることは大事だが、才能や能力そのものを褒めていると現状に満足して、新しいことに挑戦する気持ちが少なくなる」ことも明らかにしてしまった。
(中略)
それを裏付けるものとして、親野氏は、米国のスタンフォード大学が行った実験で、知能を褒めたグループは成績が20%ダウンし、努力を褒めたグループは成績が30%アップしたとのデータを紹介した。
(記事本文より)
つまり
- 才能や能力そのものを褒めると成績が下がる。
- がんばった努力を褒めると成績が上がる。
と、言いたいんですね。
コ、コワイよう!
僕がこれを読んで怖いなあと思ったのが、この記事を読んだ人が「じゃあ、子どもががんばった努力だけを褒めてあげよう」とッ短絡的に思ってしまうことなんです。
この専門家の言うとおりに、子どもたちが「がんばった」結果だけを褒めて育てたら、その子は
「自分はがんばらないと認められない」
「がんばらない自分には価値がない」
と思いこんで大人になってしまいます。
そんな子たちは、大人になっても、がんばってもがんばっても満足できず、報われず、どれだけ成果を出しても苦しくて、哀しくて、負の連鎖を続けていくんです。
僕自身がかつてそうだったから、よくわかるんです。
そしてこれは、たぶんあなたのことです。
がんばってもがんばっても幸せになれない子どもを育てたいですか?
そんなことしてたらね、あなたの子どもは
がんばってもがんばっても幸せになれない人
になってしまいますよ。
あなたの子どもは、生まれてきたというただそれだけで素晴らしいはずですよね。
そこにいるだけで、何もしなくたって価値があるんです。
でもそれは、自分自身じゃわからないから、僕ら親が伝えてあげなくてはならないんです。
それなのによりによって、まったく逆のことをやろうとしている。
「あなたはいるだけじゃ何の意味もないんだから、新しいことに挑戦して成績を上げなきゃダメなの!」
って、毎日子どもを責めてるのと同じです。
叩かれやすいママキャラの辻ちゃんと教育評論家のデータの対立、という構図はテレビ番組的にはオモシロイのかもしれないけれど(くそ下品だけどね!)、その会話の一部がこうやってニュースとして抜き出されると、ますます情報がウソまみれになって、ホントコワイわ。
まだまだこういうことが平然と語られる世の中なんですよね。
成績が20%悪いけどずっと「幸せな人生」と、成績が30%良いけどずっと「苦しい人生」の、どちらを自分の子どもに歩ませたいですか?
▶連絡先:りゅう