コラム/エッセイ

芥川賞受賞の又吉『火花』は、「どうしても書かざるを得ない切実なもの」

お笑い芸人の又吉直樹さんが芥川賞を受賞したというニュースを聞いて、古舘伊知郎さんじゃないけど、僕も「おや?」と思いましたよ。

まだ作品を読んでないのでなんとも言えないけど、率直に「へえ、芸人が芥川賞を取る時代になったのかあ」と苦笑したのは事実。

もちろん作品の質が良ければ、作者の職業なんて関係ないんだけど、芥川賞というのはやっぱり日本の純文学の最高峰であって、二足のわらじを履いておいそれと獲れるものじゃないはず、というイメージはあるもの。古館さんの言ってることもわかる(笑)。

山田詠美さんが言うんだから

でも、選考委員の山田詠美さんの受賞の説明を読んで、僕は一人で納得。

「どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる感じで、欠点も多々あるんですけど、何か強いものを感じた。一行一行にとてもコストがかかっている感じがした」

引用元:産経ニュース

なるほど。

僕は、小説(あるいは純文学)とは「どうしても書かざるを得ない切実なもの」だと思っています。

それがふさわしいのが芥川賞だとも思う。

だから妙に崇高なイメージがつきまとうし、本業作家じゃない人が受賞すると、僕や古館さんなんかは違和感を感じてしまうんでしょう。

でもね、僕が青春期に影響を受けまくって、今も尊敬してやまないエイミーこと山田詠美さんが

「どうしても書かざるを得ない切実なもの」

だと言ってるんだから、もうそりゃあ納得するしかない。

 

他の識者が言うように、たしかに技術的欠点は多いのだろうけど、芸人にしては口数の少ない又吉の、小説でしか表現できない魂の言葉が、一行一行に込められているというのならば、それは読むのが楽しみでしょうがない。

今や世界を見渡せば、ネットでも映画でもテレビ番組でもなんでも、いかに「売れるか」ばかりを追求した表現ばかり。

芥川賞だって所詮は「文藝春秋」の宣伝だという事実もあるけど、それでも、そこに本物の「切実」があるというのなら、読んでみたくなりませんか?オラワクワクしてきたぞ。

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