ひとことで言うと、期待値上げすぎた。
『バードマン』に衝撃を受けて死にそうになったのに、各所で『セッション』のほうがスゴイなんて話を小耳に挟んで、「ラスト9分19秒の衝撃!」みたいなキャッチコピー聞いちゃってたから、どんだけ衝撃的なラストくるんだよ、って身がまえちゃったから、一言で言うなら、やや期待ハズレ。
かと言ってもちろん駄作というわけじゃない。というかとんでもない作品。
映画にはよくあることだけど、バードマンという傑作と同じ年に公開されてしまったことを悔やむしかない。
バードマンのほうが上って言うつもりもないんだけど、衝撃度で言えばやっぱりバードマン。
たしかにフレッチャー先生を演じたシモンズはスゴかったけど、キャラクターの強烈さが手伝ってるし、個人的にはアカデミー助演男優賞もバードマンのエドワード・ノートンにあげたかった。
まあでも、あのスパイダーマンのバカ編集長やってた人が、って思うと、たしかに役者ってスゴイと思わされたけど。
この映画に関しては、ジャズの専門家が酷評して、それに反論があったりして、けっこうネットでは賛否両論になってるらしいけど、総合的には、やっぱりスゴイ映画。
あんなのジャズじゃないって言われれば、そうかもしれないなとも思うし、映画として完成してると言われれば、それはそうだし。
バードマンだって演劇の専門家からすれば言いたいことは山ほどあるんだろうしね。
日本の誇る最高のジャズピアニスト・大西順子がこの映画をあまりよく思ってない、というのは、ちょっと気になるけどね。本人の言葉が聞きたいところ。
いずれにせよ、バードマンより先に見てたら、もっとやられていたかもしれない。
強引に一言にまとめて、と言われれば、
とにかく、疲れる映画!
上映時間のほとんどで、もう胃が痛い! よく緊張の連続って言うけど、この映画はほぼずっと緊張だから息抜くヒマがない。
ドラム叩いてるの僕じゃないのに、シゴかれてるの僕じゃないのに、もう逃げ出したい。
これ本当に、誇張じゃなくて、体調が悪いときとか、気持ちが凹んでるときとかに見たら、人によってはヤバイと思うよ。
「心臓の弱い方はご遠慮ください」って注意書き必要かも。
だから逆に、この映画は絶対に劇場で観るべき。スクリーンの迫力と大音量がなければ、鬼教官の恐ろしさも緊迫感も半減するのは確実。映画館で見ないなら語る資格ないくらい。
しかしあらためて考えてみると、今年はこの『セッション』といい『バードマン』といい、『アメリカン・スナイパー』に『イミテーション・ゲーム』と、濃い作品が集中した年ですねー!
でもおかげで映画がますます楽しくなってきた!
『セッション』の詳細なレビューは近日中に書きます。
予告編
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