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象の神様は言った。

「腹八分はささいなことに見えるかも分からんけど、これ、今日からずっとやってみ。食べたいと思ても腹八分で必ずおさえるんや。そうやって自分で自分をコントロールすることが楽しめるようになったら、生活変わってくるで」

釈迦も『一切ノ疾病ハ宿食を本トス』と言っている。すべての病気は、食べすぎや間違った食生活が原因だというのだ。

そうでなくても現代人は総じて食べすぎだと言われている。美味しいものでお腹を満たせばたしかに幸せな気持ちになれるけど、どうやら身体にはあまり良くないらしい。

考えていてもしょうがないので、僕もやってみることにした。

さて簡単に腹八分と言うけれど、僕らの胃袋には計量カップのような目盛りが付いているわけではないので、実際にどれくらいが腹八分なのかよくわからない。

ネットで調べてみると、腹八分目というのは『今した食事の量をもう1回食べられる感じ』だと言う。

なるほどそれは体感としてはだいぶ少ない量だし、逆に言えばふだん僕らが満腹だと感じるときには160%ほども食べてしまっているということになる。たしかに食べすぎだ。

あるいは『消化能、食欲に応じ、つねにいく分の余猶を残す。次の食事までに消化しつくし、といって余り強い空腹でもない、いわば快い空腹を感ずる程度』という話もある。

不快ではないけれど、それなりには空腹である状態ということか。

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もっとも自然なのは、胃が消化を終えて空っぽになった状態でしばらく休息し、消化による疲労を完全に回復して、食欲が出てきてから次の食事を食べる、という流れらしい。

けれど僕ら現代人の多くは、腹が減ってから食事をするといったことがほとんどない。胃の消化状態や身体全体の調子とは無関係に、ただ食事の時間がくるから習慣的に食事を採る。しかも毎度、満腹になるまで食べるから、胃は常に稼働していて休むことができず、身体にかかる負担は減るどころか重なっていくばかりなのだ。

また食べる量だけでなく、食べるものが大事であるということも言うまでもない。

人間の身体は、体内のタンパク質や脂肪の組成の半分近くが、約三日間で元々の分子から食事で摂取した分子に入れ替わるという。単純に言えば僕らの身体の一部は、一週間たてば別のものに生まれ変わっているのだ。「You are what you eat.(あなたが食べたものがあなた自身)」という言葉があるように、そう考えると食べるものって本当に大切だ。

食べ物は精神への影響も大きい。禅寺で動物性食品やアルコール、にんにくなどの摂取を禁じているのは、それらの食事が精神を乱し、心身の修養を妨げるからだという。

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ふむ、今まであまり考えてこなかったけれど、食事の量や内容は僕らの身体だけでなく心にも多大な影響を与え、ひいては長い人生を豊かにすごせるかといったところまで関係してくるようだ。

釈迦は、病気の際には断食と祈りをおこなうように指導していたという。何も食べないことで胃やその他の内臓を休ませて、祈ることで心に平穏をもたらして自然治癒力を高めるというのは、たしかに理にかなっているだろう。

ということで『食事を腹八分におさえる』という課題を実行してみた。まず朝は、普段からパンやお茶漬けなど軽いものでさっとすましてしまうので問題はない。

昼は毎日お弁当なので白飯の量を減らしてみたところ、物足りない感じはあるものの、午後の仕事中に身体が軽くなっているという実感があった。そうなってみて初めて気がついたのだが、満腹になるまで食べていた以前は、昼食後には腹が張って、胸焼けに近い不快感が残っていて身体も重かったし、激しい眠気に襲われていたのだ。

むずかしいのは夕食だ。一日の主食だし、家族で楽しむ団らんのひとときでもあるし、一生懸命働いた後のご褒美のような意味合いもあるので、つい食べたいだけ食べてしまう。食べながらビールなんか呑んでしまえば、すぐにお腹がふくれてしまう。

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それでも、腹八分とはいかないものの、それなりに普段より食事の量を節制してみたら、睡眠の質が大幅に改善された。寝つきがすごく良くなったし、ほどよい空腹で目覚めるというのはなかなか気分がいいものだということを知った。

けれど食事の節制を意識するというのは、まだ始めたばかりなのだが、徹底するべき類の習慣ではないような気がしている。

楽しくお酒を飲んで、大いに飲み食いをして、みんなでわいわい騒ぐのだって、心身にとって大切なことであるのは明白なのだから、たとえば金曜日の夜だけ羽目を外して、その他のウィークデイに節制するようにすれば、身体にはもちろん、毎日のモチベーションを保つのにも、お財布にもやさしいのではないだろうか。

あとは甘いものの誘惑か。甘いものは別腹と言うが、別腹は明日の脇腹、とも言うので、今日も誘惑に負けぬよう精進しよう。

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参考サイト

▶ 一切の疾病は、宿食をもととす by 釈迦|ひろし’s cafe \(⌒0⌒)/ あげ潮ぢゃ.

▶ 食と健康 | マクロビオティックレシピの「ピタレシ.com」.

▶ 遠藤語録:食べ方.

商売道具を磨くことは、あのとき掲げた夢を磨くこと。 | CLOCK LIFE



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